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古いアルバムから ~ブリュージュ~ [その他]

img001.jpgブリュージュの運河。 学生旅行のお約束で、 シーズンオフの旅費の安い真冬に行ったため、 夏には大活躍しているであろう運河めぐりのボートもカバーをかけられたまま、 ひっそり冬眠中です。









あまりにも公私ともに忙しくて、
なかなかお菓子を焼く時間がとれないので、
今日は、ふと見つけた懐かしいアルバムから、
学生時代に訪れた(何十年前なんだ!?(∀`*)ゞ) 大好きな街を紹介しようと思います。
写真は〇十年前のものなので、色がいまひとつです。申し訳ありません。




ベルギー地図.pngその街は、ブリュージュ。(Bruges  オランダ語表記だと Brugge ブルッヘ  “橋”の意)

ベルギーの首都ブリュッセルから、電車で1時間くらいだったと思います。
パリから友人二人を引っ張って、ホテルも決めずに突撃した、という無謀さ。(笑)
でも、このブリュージュと、そのお隣の街ゲント(Ghent  または ヘント、ガン)は、
西洋美術史専攻の学生だった私にとって、
どうしても見ておきたい絵がある街だったのです。
(そう、二人の友人は完全に巻き添え 笑)




まずは、ブリュッセルから電車で30分くらいだった(気がする)ゲント。
ここゲントにあるシント・バーフ聖堂に、van Eyck 兄弟が描いた “ゲントの祭壇画” があります。
Ghent-altarpiece.jpgGhent-altarpiece平日.jpg
上が内側 左が外側 


普段は扉が閉じた状態で外側(左)の面(色彩が抑えられている)が見えるようになっていて、
教会の祝日等にこの扉が開かれ、色鮮やかな内側の面(上)が現れました。












はっ( ̄□ ̄;)!!
語り始めると、止まらなくなって卒論になってしまう(?)ので控えますが、
初期フランドル絵画を専攻していた私は、とにかくこの絵が観たくて観たくて。
なので、シント・バーフ聖堂の事しか下調べをせずにゲントの街に入ったのですが、
思いがけずその美しい街の佇まいに、すっかり心を奪われました。


img010.jpg道路を横切って張られたケーブルにぶら下がる街燈がおしゃれです。










img011.jpg
教会か修道院のような建物付属の
ちいさなお庭。
植栽がセンスいい!










img012.jpg
憧れ続けてたシント・バーフ聖堂



今はどうかわからないのですが、
当時このゲントの街は、
インフォメーション以外の場所では、
英語がほとんど通じませんでした。
(あ、私の英語能力のせい?・:*:・(*´∀`*)・:*:・)
カフェに入っても、メニューに並んだ文字を見て何が書いてあるのか想像さえもつかず、
ものすごく etranger な気分を味わいました。
でも、言葉が通じないなりに街の人たちはフレンドリーで、
一生懸命コミュニケーションを取ろうとしてくれました♪



シント・バーフ聖堂には、祭壇画係の人が居て、
何分かごとに、祭壇画の扉を開けたり閉めたりして、
外側も内側も鑑賞できるようになっていました。これは嬉しい配慮。
(この仕事、やりたーい!w)

ちなみに、教会には無料で入れますが、
祭壇画が置かれている一角に入るには、お金がかかりました。






そして、ゲントの街を後にして向かったブリュージュ。
小学生くらいの頃、SAISON de non・no という雑誌がありまして、
それに載っていたはじめて見るブリュージュの写真。
その街のあまりの美しさに少女(?)もぐは憧れて、
それ以来ずっとこの聞きなれない街の名前を
頭の片隅に置くようになりました。

そして大学生になって美術史を専攻するようになって、
あのブリュージュが、わが愛する初期フランドル絵画の宝庫だと知った時は、
もうこれは絶対行くしかない!と固く心に誓っていたのでした。





img002.jpg街中をめぐる運河。
窓枠の赤が効いていて、とても素敵。












img004.jpg
img005.jpg
ベギナージュ(ベギン会)修道院の中庭。
どうしてもブリュージュから去り難くて、
一瞬ここに飛び込んでしまおうかと思いました。
(すみません、不謹慎でした・・・)







img003.jpg

たぶんメムリンク美術館の近くです。












ブリュージュで一番行きたかった美術館は、グルーニング美術館。
ところがなんと!(,,゚Д゚) こんなに憧れ続けて行ったのに、改修で閉館中・・・・・・・λ............トボトボ
かなり落胆して、第二目的のメムリンク美術館に行ったところ、
グルーニング美術館から、観たかった絵が移設して展示してありました!
一度はあきらめた絵画を観ることができて、ほんとうに嬉しかったのを覚えています。


ファンデルパーレの聖母.jpg聖母の死.jpg
Jan van Eyck
ファン・デル・パーレの聖母             Hugo van der Goes 聖母の死





img006.jpgimg007.jpgimg008.jpg
そうそう、このフランドル地方、冬はあんまりお天気がよくないのです。
私たちが訪れた2日間も曇り時々小雨、ほんの少しの晴れ間、みたいな感じでした。
でも、街中どこを歩いても、ほんとうに絵になります。
夏の眩しい光の中で見ると、同じ風景もまったく別の印象になりそうですが、
この冬の重たい雲の下で見る風景も、私は気に入っています。


前述しましたが、2月から3月にかけての旅行でしたので、
オンシーズンには、この何倍ものにぎわいであるはずのブリュージュも人影少なく、
だからこそ、観光都市っぽさとはまた違った、
落ち着いた雰囲気にひたる事ができたと思います。
〇十年たってもこんなに再訪したい、と思える要因のひとつかもしれませんね。
さすがに観光都市、ここでは英語がよく通じます。




img009.jpg
ぎさぎさに階段状になった
建物のファサードは、
ブリュージュの建物の特徴です。
これまた大好きな、Fernand Khnopff のブリュージュを題材にした作品、
“見捨てられた町”(下)にも、
よく似た建物が描かれています。




見捨てられた街.jpg















私の我儘で友人二人を引っ張り込んでしまった小旅行でしたが、
二つの街を友人たちが、それはそれは気に入ってくれたことが、とても嬉しかったです。
いやだって、ほんとに素敵だったんだもん!(*´Д`*)

そして私にとって驚きだったのは、
ブリュッセルからゲント・ブリュージュへ向かう途中の車窓の風景が、
15世紀の画家たちが描いた風景と、とてもよく似ていた事でした。


そしてパリへ戻ったその翌日、私は性懲りもなく、
今度はRobert Campin (MASTER of Flemalle)とMelchior Broederlam の祭壇画を観に、
ディジョンへと一人日帰り旅行を決行したのでした。
(ディジョン・マスタードで有名なディジョンです。
 ほんとはClaus Sluter の彫刻も観たかったのですが、
 迷子になって時間切れ、たどり着けなった 笑)



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コメント 8

mayu

もぐさん、こんにちは^^

写真の色すっごくいいですよ!
何か深みがあって、余計に素敵です☆
思い出いっぱい詰まった写真の数々、見せてくれてありがとうございます!

by mayu (2012-05-02 17:30) 

pn

めぐりあわせが絶妙のタイミングでかみ合ったんですね。
一度あきらめたものが見れるなんてカンドー物です♪
by pn (2012-05-02 19:02) 

もぐ

>mayuさん

古いこと、にプラスして、
当日のお天気があまりよくなかったので、
余計色が暗くて、鮮明に色がでていないような写真になってしまいました。
でも、これがいかにもフランドル地方の冬の色、っていう感じで、
私はそれなりに気に入ってたりします。^-^*
by もぐ (2012-05-02 23:21) 

もぐ

>pnさん

そうそう。
今週は閉館かぁ。じゃあ再来週あたりまた来てみるわ♪
なんて、気軽に言える場所じゃないので、
館内に見つけたときには、足がふるえましたよ!

あぁ。そんな台詞を気軽に言える生活をしてみたいw
by もぐ (2012-05-02 23:23) 

さる1号

一枚目、ひっそりした雰囲気がとても素敵ですね。
冬の穏やかな光としっとりした色調が落ち着きます。
念願の絵画を見る事が出来て大満足でしたね。
目的は絵画だけでしょうか?現地のスイーツもしっかり味見されましたよね?^^)
by さる1号 (2012-05-03 00:11) 

もぐ

>さる1号さん

当時まだ日本ではポピュラーではなかったベルギー・ワッフルを
市場のお店で買って食べて、感激してました(年がバレる・・・)
焼き立てで、ほんとおいしかった!
後はこれも今ほど日本ではポピュラーではなかった、
チョコレートの専門店。
いろいろな種類のチョコレートがずらっと並んでいて、
選び放題の量り売り。
本気でこの街に移住したいと思いました。笑
by もぐ (2012-05-03 01:00) 

pomme

もぐさん こんばんは
ありがとう、なんて素敵な写真でしょう。
フランス旅行のついでに行った義妹が
絶賛するので、私も行きたい思いが
募っていました。
この写真をみて、ますますです。
いつか行けるといいな~~~♪
by pomme (2012-05-03 22:26) 

もぐ

>pommeさん

ここは本当にお奨めです。
自分の足で、
好きな風景のある方に道を曲がり、
ゆっくり好きなように歩き回った二日間は、至福の時間でした。
私は、足腰たつうちに絶対再訪する!と決めています(あくまでも自分の中で、ですが 笑 (*`▽´))

重く雲の垂れ込めた人影少ない冬もいいし、
陽光輝く夏の風景も見てみたい・・・(でも観光客多いんだろうな~)
いっそのこと老後はここで?(笑)
by もぐ (2012-05-04 14:50) 

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