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第64回正倉院展 [展覧会]

P1000313.JPG
小学生の時の社会の教科書に、正倉院御物のカラー写真が載っていました。
その中に、それはそれは綺麗なブルーのグラスの写真がありました。

綺麗なグラスだなぁ  えっ!? これガラスなの!? 1000年以上前にガラスのグラスなんて作れたの!?
それに・・・今でも使えそうなデザインなのに・・・ほんとに1000年以上前のグラス!? 
(小学生もぐの独白)
小学生もぐに強烈な印象を与えたそのグラスは、瑠璃杯(るりのつき)といいました。
他にも心惹かれる御物はたくさんありましたが、
第一印象のインパクトの強さは、この瑠璃杯が一番でした。
いつか見てみたいなぁ、とずっと思いながら大人になりました。



そして今年の第64回正倉院展。
なんと、この瑠璃杯が18年ぶりに出展されるとのこと。
そして正倉院展の慣例として、一度出展された御物は、
その後最低でも10年は出展されないとのこと。
これは・・・
もう、行くしか!!!!!!!


「いってきまーす。食器棚に、グラスひとつ分の空きスペース作っておいてね!」
「ルパンかっ!」
と言う子供の声に見送られ、
行ってきました、奈良国立博物館第64回正倉院展。
正倉院展は、2009年の第61回の時以来で、2度めです。







瑠璃杯.jpg小学生の時から、憧れ続けていた瑠璃杯。
とうとう見る事ができる、と胸はドキドキ高鳴ります。

ところが!ここで罠がひとつ。
やはり、この瑠璃杯が今回の展覧会の目玉だったらしく、
マウリッツハイス美術館展の時の、
“真珠の耳飾りの少女”と同じで、
「最前列で見たい方は、この列に並んでくださーい。
現在待ち時間20分です。
最前列なくてもいい方は、こちらから入室してくださーい。」
とのアナウンス。
やはりな・・・w




マウリッツハイスの時の、
30分並んで、やっと最前列にたどり着いたと思ったらほんの一瞬通り過ぎるだけで、
2秒たりとも立ち止まって見られなかった、
悲しい記憶が蘇ります。
もう、博物館なんか信じないぞー・゚・(ノ∀`)・゚・。
ということで、
最前列で見られなくてもいいやと列には並ばず、さっさと入室。
予想通り、というか想像よりも間近から、
ゆっくり立ち止まってじっくり鑑賞することができました。v('-'*) 




瑠璃杯は、
教科書で見た記憶よりも、それ以後いろいろな本やサイトで見たどの画像よりも、
もっともっと深い、吸い込まれそうな蒼い色をしていました。
手に持ってちょうど掌になじむくらいの大きさ、綺麗なフォルム、
現代の作品といわれても納得できるような、時代を超えた秀逸なデザイン。
奈良の高貴の人たちは、このグラスに何を注いで唇に運んでいたのでしょう。
遥か遠い大陸から長い距離と時間を経て、この繊細なグラスはどんな旅をしながら、
この日本の奈良の都に運ばれてきたのでしょう。
もう、想像力はフルスロットル。
いつまでも立ち止まって見入っていたかったです。







螺鈿紫檀琵琶.jpg木画紫檀双六局.jpg

左 : 螺鈿紫檀琵琶(らでんしたんのびわ)と、それを弾くのに使った紅牙撥鏤撥(こうげばちるのばち)
右 : 木画紫檀双六局(もくがしたんのすごろくきょく)

どちらも聖武天皇の愛用品だそうです。
紅牙撥鏤撥は、先端の方の色が剥げていて、ほんとうに使用されていた事がうかがわれます。
この色のはげた部分に、「これを使っていた人が本当に存在した」ということを生々しく連想させられ、
またしても、妄想が渦巻きます。
ほの暗い灯明や蝋燭の炎がゆらゆらゆらめくのみの部屋の中で、
この琵琶や双六局の繊細で精緻な螺鈿の細工は、
そのゆらめく光を反射して、さぞかし妖しく美しく輝いていたことでしょう。






紫檀螺鈿把斑犀鞘金銀荘刀子.jpg
紫檀螺鈿把斑犀鞘金銀荘刀子(したんらでんのつかはんさいのさやきんぎんそうのとうす)
今だったら、ちょうどペーパーナイフくらいの大きさの小刀。
これも、細い鞘に、精緻な象嵌細工がなされています。
さやのとろっとした茶色の地も、柄の部分の象嵌も、見とれるばかり。
瑠璃杯と並んで、これも持って帰りたかった(?)もののひとつでした。




出展数64点(内、初出展9点)の今回の正倉院展。
ゆっくり堪能することができました。
それにしても、一回出展すれば後10年は同じ物は出展しないという正倉院展にあって、
いまだに初出展のものがあること、
さらに10年間違う物を出展し続けても、一級の展覧会が成り立ってしまうことに、驚かされます。
正倉院には、いったいどれだけの素晴らしい宝物が眠っているのでしょうか。





*************** おまけ ***************


奈良公園内は、年間通して主要建築物をライトアップしているので、
夜7時頃、見に行ってきました。
でも・・・
繁華街であるはずの三条通は、すでにお店の半分くらいは閉店していて、暗くて、人影もまばら。
そこを抜けて、奈良公園方面へと入っていったのですが、・・・・・
こわいよーーーーー!!! 誰もいないよーーーー!!! 街燈も少ないよーーー!!!

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興福寺の五重塔です。
人影のない静まり返った空間に、妖しくライトアップされて屹立する五重塔。
綺麗を通り越して、怖かったー。
だってほんとに誰もいないんですもん。
時代は下りますが、陰陽師を思い出してしまいました。
安倍晴明の世界だ・・・
屋根の陰に、魑魅魍魎が居そうな雰囲気。
ここに龍笛の音でも聞こえてきたら・・・


急いで宿へと退散しました。




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終わってしまったけど「マウリッツハイス美術館展」のこと [展覧会]

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記事が書けないうちに東京会場は閉幕してしまいましたが、
9月の上旬、上野の東京都美術館に
「マウリッツハイス美術館展」を見に行ってきました。



フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」が大人気で、連日混んでいるようでしたので、
平日に、公式HPの待ち時間をチェックしつつ行った、つもりでしたが。
やっぱりそれでも混んでいました。 c(゚.゚*)エート。。。
まぁそうだよね~・・・わかってたさ!orz



事前に携帯でHPをチェックしつつ向い、入場までの待ち時間10分であること確認。
あぁやっぱり平日にしてよかったなーなどと思いながら、都美館着。
建物の中に入って、いざ特別展の入り口へと向かいます。
まぁここで入場制限がかかっているのはよくある事。
HPでの予告どおり、10分強で会場へ入れました。



私が展覧会に行ってまず探すのが「作品リスト」。
図版もなにも載ってない、ただ字が書いてあるだけのリストですが、
来ている全作品について、タイトル、サイズ、画材、年代、所蔵美術館 などが載っています。
たいてい、入ってすぐの部屋のすみっこに、
ご自由にお持ちください的な感じでぽんっと束になって置かれている・・・はず・・・あれ?無いなー
しばらく第1室の入り口あたりをウロウロ探しましたが、それらしき物は見当たりません。
仕方なく係りの方にお聞きしたところ、入り口にあるカウンターで聞いてください、との事。
チケットを切り離した入り口あたりに戻って、カウンターの人に聞くと、
「何冊いりますか?」と聞かれ、「1冊でいいです。」と言うと、
カウンターの下から出してくださいました。
えー 隠してあるの?(笑)


でも、たいていどこの展覧会に行ってもこんな感じの色気も何もない体裁なのですが、
バーン・ジョーンズ展作品リスト.jpgバーン・ジョーンズ展のもの

















マウリッツハイス美術館展のものは、ちゃんと冊子になっていて、なんとカラー写真まで載ってました。
うーむ、これは言わないともらえないだけある(?)
最近は、こういう作品リストも普通なのかしら?(私ははじめてでした)
マウリッツハイス美術館展冊子.jpgマウリッツハイス美術館展作品リスト.jpg
ただし、普通の展覧会ものはA3サイズの二つ折り(作品数によってはA4サイズのページがはさまれることもあり)ですが、
こちらの冊子はB6サイズ(かなり小さめ)の正味10ページ、広告4ページwでした。
人気の展覧会すぎて、数が足りなくなって自由に配れなかったのかなぁ。



神戸会場へ行かれる方、もしかしたら作品リストはお願いしないともらえないかもしれません!





真珠の耳飾りの少女.jpg
この展覧会の目玉は、やはりフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」なのでしょう。
展示も別格でした。
この作品だけのために一部屋が準備され、照明も他の部屋よりも落とされた中に、
ただ一人、ほの暗いスポットライトを浴びて展示されています。
しかし!
この作品の前に行くまでが実は第二の試練だったのです。












img022.jpg
部屋に入ると、入り口とは反対の壁際に、この作品ひとつだけが展示されています。
でも、その前には、
休日のディズニーランドかと見まごうばかりにロープが張られたウネウネの行列が!( ̄□ ̄;)!!
最前列まで行って観たい人は、このウネウネに並ばなくてはなりません。
最前列より少し手前に、並ばなくても到達できるエリアもあったのですが、
せっかくだから近くで観たいです~
筆の使い方や絵の具ののり方やタッチをこの目で観たい、
図版ではわからない画家の息遣いを感じたい!
というわけで並びました。
20分から30分はかかったと思います(涙)
そして、ようやく最前列に到達しても、2秒でも立ち止まったら係りのお姉さんに注意されてしまいました。。
わかるけど・・・わかるんだけど・・・後ろにたくさん待ってる人がいるし・・・
でも、30分並んだのにな~~~~・゚・(ノ∀`)・゚・。


むしろ、会場に入るまでの時間よりも、
「真珠の耳飾りの少女」を最前列で観るための待ち時間を
HPにのせた方がよかったのではないでしょうか・・・



でも、やはり作品は素晴らしかったです。
並んでいる間中、まだはるか遠くに居るうちから、
暗く照明を落とした展示室で、そこだけスポットライトを浴びて浮かび上がる少女。
まるでこちらを見据えているかのように、少女の瞳がせまってきていました。
圧倒的な存在感。そして瞳にこもった力。印象的な表情。
むしろ、やっとたどり着いたのに通り過ぎることしかできなかった時よりも、
遠くから眺めていた時の印象の方が、強く残りました。





「真珠の耳飾りの少女」ばかりクローズアップされている感もありましたが、
他にも足を止めて見入ってしまう作品がたくさんありました。
特にレンブラントがよかったです。
羽飾りのある帽子をかぶる男のトローニー.jpg自画像.jpgスザンナ.jpgシメオンの賛歌.jpg
盛り上げるように絵の具を重ねて描かれている部分(特に上段右の肖像画など)や、
今、筆が通ったばかりのような跡、
図版や画像ではわからない生の絵の迫力に、どきどきしました。





フランドル絵画は、その写実的で精密な描写も特徴ですが、
その特徴をいかした静物画や風景画も来ていました。
豪華な食卓.jpg
ベイエレンの「豪華な食卓」
ほんとに豪華ですね。
この作品の中央やや左に、皮を剥きかけたレモン(剥きかけの皮がたれさがっている)が描かれていますが、
他の食卓を描いた静物画にもまったく同じようなレモンが描かれていました。
もしかしたら、この「剥きかけで皮がたれさがったレモン」は、
精緻な表現ができることを示す、画家の技量のバロメータのひとつだったのかな?なんて
想像しながら観ていました(まったくの私感ですが)。
それとも何か、象徴的な意味があるのでしょうか。




親に倣って子も歌う.jpgフランドル絵画では、風俗画もよく描かれています。
これはそのひとつ。
ヤン・ステーンの「親に倣って子も歌う」です。
赤ちゃんの誕生祝の席だそうですが、
もう赤ちゃんそっちのけで昼間からお酒飲んで大騒ぎ。
たしか一番左の女性が赤ちゃんのお母さんだったはず。
そんな派手なポーズでお酒ついでもらっちゃったりして、
母乳がアルコールだらけになりそう(汗)。
右側では、子供にタバコ吸わせてるし・・・
親が子供の悪いお手本になってしまう事を警告しているそうです。
この絵のテーブルにも、皮を剥きかけて垂れ下がったレモン(?柑橘類)がありますね。





で、さらに何かで読んだのですが、
左から二番目のおじいさんがかぶっているのは、
本来は赤ちゃんのお誕生祝いの席で、赤ちゃんの父親がかぶるべき帽子なのだとか。
(一応)赤ちゃんの父親は、後列右から二番目の人らしいのですが・・・
う~ん なにやら複雑な事情の暗示?ふざけておじいちゃんがかぶってるだけ?
いろいろな面で戒めがこもった絵のようです。
(象徴を使った表現、寓意を含んだ表現をするのも、フランドル絵画によく見られます)









他にも、ヴァン・ダイクの肖像画、ライスダールの風景画にも、心ひかれる作品がありました。
実は私、ルーベンスが描く裸体はちょっと苦手なのですが(ネロ、ごめんね!)
ルーベンス作のこの肖像画、
「ミハエル・オフォヴィウスの肖像」は素晴らしかった。
モデルの性格や信念まで写し取っているようで、しばしその場を動けませんでした。
(ここでは、立ち止まっても怒られなかったw)
M.オフォヴィウスの肖像.JPE







***おまけ***
foodcaver.jpg
こんなフードカバーを買いました。
もうひとまわり大きいのと2つセットでした。
お菓子を冷ます時にも活躍しそう♪




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バーン・ジョーンズ展 ~三菱一号館美術館~ [展覧会]

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バーン・ジョーンズ展に行ってきました。
場所は、丸の内にある三菱一号館美術館。
三菱一号館は、ジョサイア・コンドル設計の明治時代のオフィスビルでした。
1968年に解体されましたが、2009年にコンドルの原設計に基づいて復元され、
美術館としてよみがえった煉瓦造りの建築です。
丸の内の高層ビルと緑の中に煉瓦が映えて、とても綺麗ですよね。
大好きな美術館です。


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高層ビルの谷間のような空間に、ぽっこり現れた中庭。
中庭をはさんで、明治と平成が同居しているようです。



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真夏の日差しに、噴水の水もきらきら。
緑、木陰、水の流れ、暑さの中でもほっとさせられますね。


P1000040.JPG
さて、では中にはいります!




バーン・ジョーンズ(Edward Burne-Jones 1833-98)は、
イギリスのヴィクトリア朝絵画を代表する画家です。
ウィリアム・モリスの親しい友人であり、ロセッティの弟子であり。
このあたりの人間関係も複雑で、美しく耽美的な画風ともあいまって、
いろいろな意味で世紀末的な雰囲気を感じます。
ストイックな宗教画(15世紀くらいの、それも北方の!)も
大好きなのですが(卒論はそのあたりを攻めましたw)、
実はクノップフだったりミレイだったりそしてバーン・ジョーンズだったり、この時代も大好きなのです。




バーン・ジョーンズいばら姫.jpg
『いばら姫』1872-74年頃
お姫さまはともかくとして、
まわりで正体もなく眠り込んでいる侍女たちでさえ、この優美さ。
私の寝姿とは大違い・・・
ドレープの表現や落ち着いた色調に、
画家の技量とセンスを感じます。




バーン・ジョーンズ運命の車輪.jpg『運命の車輪』1871-85年
この女神フォルトゥーナの憂い顔がいいです!
他の作品でも、バーン・ジョーンズは憂い顔がほんとうに美しいと思いました。



























バーン・ジョーンズチョーサー著作集.jpg
ケルムスコット・プレス『チョーサー著作集』1896年
ウィリアム・モリスが創設したケムルスコット・プレスから出版された、チョーサーの著作集。
バーン・ジョーンズは87点の木版挿絵を制作しました。
この繊細な線の美しさに圧倒されました。
一応、というかもちろん「本」なのですが、
モリスの「本質的には芸術作品」という言葉にも納得です。
中世の写本から受け継がれてきた装飾性というか、
こういう様式的な表現にも、とても魅力を感じます。


img018.jpg
『水車小屋』1899年
エッチングの作品も出品されていましたが、
本当に素敵でした。
あの繊細な表現は、油彩などとはまったく違った魅力がありますね。
いや~ 原版が欲しいです・・・(というか見てみたい)




バーン・ジョーンズ風刺的自画像.jpgそして、一番最後に展示されていた小品。
『風刺的自画像—描かれざる傑作の群れ』1891-95年、ペン・紙、17.6×10.7cm
ペンでさらさらっと描いた感じの自画像です。
うしろのキャンバスは、いろいろな発想が湧いてきて、
途中で手が止まって
次の作品に手をつけてしまったために、
完成せずに抱え込んだままたまってしまった未完成の作品だそうです。
バーン・ジョーンズ自身は、風刺的、と言って描いていますが、
反面そのような状況を楽しんでいた感もあったそうです。

画家のユーモラスな一面を感じられて、
観ながら微笑んでしまいました。


そうそう、『迷宮のテセウスとミノタウロス』のミノタウロスが可愛らしくて、
これにも微笑ませられてしまいました。





P1000033.JPG東京駅の復元工事は ここまで進んでいました。 (下の部分はまだ工事中)














さて、東京駅まで来た時のお約束。
大丸10階の都路里で、パフェです。パフェww(*´Д`*)


お昼ごはんを食べていなかったので、今日は特選都路里パフェではなく、
「茶々セット」にトライしてみました。
茶そば or うどんと、パフェ(4種類から選べます)のセットです。
私は茶そばと宇治パフェにしました。
都路里茶そば.jpg都路里宇治パフェ.jpg





そしておみやげは・・・



都路里のゼリー.jpg都路里の抹茶ゼリーとお濃茶ぷりん
















P1000050.JPGそして、三菱一号館美術館のすぐ近くのエシレで買った、クロワッサン。

おいしいけど・・・高いですな!














P1000053.JPGP1000054.JPG                           私が焼いたわけじゃないけど、エラそうに断面w
















さくっほろっと口当たりは軽いのに、
バターの香りは濃厚です。
う~ん やっぱり美味しい~



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マネとモダン・パリ -三菱一号館美術館ー [展覧会]

三菱一号館美術館角.jpg三菱一号館美術館ベルト・モリゾ.jpg

今年4月に東京駅丸の内口近くに開館した三菱一号館美術館で開催中の、
「マネとモダン・パリ」展に行ってきました。

東京駅まで出かける機会はわりとあっても、外へ出ないで乗り換えたり、
外に出ても八重洲口方面がほとんどだったりして、
丸の内方面に出たのは久しぶりでした。
その変貌ぶりにびっくり!
高層ビルが林立し、街並みは清潔で、見上げれば一見無機質な空間のようでいて、
足元に目を落とせば、人工的とはいえ緑豊かに整備され、
オフィス街でありながら、おしゃれな雰囲気も漂っていました。
ン十年前にリクルートスーツ着て、このあたりをウロウロしてた時とは、まるで別世界。

煉瓦造りの駅舎や中央郵便局は工事中で、すっぽりシートに覆われていました。
自分の知っていた街とは別世界に変貌していく事への、
一抹の寂しさもありますが、
同時にこの改修工事が完成したら、この付近がどう生まれ変わるのか楽しみな気持ちもあります。

三菱一号館美術館は、
ジョサイア・コンドル設計で戦前に建設された煉瓦造りのオフィスビルだったものを、
復元して建設したものだそうです。
まわりの高層ビル群の中にぽっかりあいた異空間のようでもあり、
それでいて街並みと不思議と調和したクラシカルな煉瓦造りの洋館の佇まいが、
とても素敵でした。
三菱一号館美術館道路を渡って.jpg

すぐお隣にそびえたつ丸の内パークビルディングとの間には、
中庭のような広場が配置されていて、
小庭園やカフェがあり、梅雨の晴れ間の太陽に輝く緑がとても綺麗な、
居心地のいい空間になっていました。
三菱一号館美術館中庭.jpg

これだけの舞台装置に、入場前からすっかりテンションが上がります。
平日の午後だというのに、軽く入場制限がかかっていました。
わりとすぐに入れましたが、なかなかの人気のようです。

印象主義の先駆者と言われながら、印象派の活動には参加しなかったマネ。
「オランピア」「草上の昼食」(この展覧会には来ていません)の頃と比べると、
逆に印象派の影響を受けていることがよくわかるタッチの後期の作品も多く、
興味深く見てきました。
三菱一号館美術館3階から.jpg三菱一号館美術館出口.jpg                   美術館3階から中庭を見下ろす。緑が眩しいです。  出口を出て見上げたらまた高層ビル


画家の筆致がじかに伝わってくる筆の跡、キャンバスに盛り上がった絵具、細かい線、少し離れるとまわりと一体化して見失いそうな淡い色、
どんなに精巧な画集でもなかなか伝えきれない、
生の筆遣いに触れられることは、展覧会の醍醐味ですね。
堪能してきました。



館内のカフェも予想通りクラシカルで雰囲気最高だったのですが、
これも予想通り満席で、外に行列もできていました。
でも実は、せっかく東京駅まで来ているのだから、
都路利の特選都路利パフェを食べに行こう!と、決めて来ていたので、
カフェはちょっと残念でしたが、八重洲口の大丸まで移動して、都路利へ。
ん~おいしい~特選都路利パフェ東京.jpg

こちらも堪能。
ごちそうさまでした。
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